本論文では,ヒューマノイドロボットHRP-2 の手先に取り付けたレーザレンジファインダにより,高精度な三次元地図の作成を実現する. ヒューマノイドロボットでの三次元環境認識に良く用いられる頭部カメラと比較すると,レーザレンジファインダを手先に取り付けて利用することで,高い計測精度,テクスチャや照明条件に左右されにくい頑健性,広い計測範囲といった利点が得られる. このシステムにより,ヒューマノイドロボットは,腕と手首を並進および回転させ,ある一箇所から様々な方向の計測を行うことが出来る.得られた計測データを前の位置での地図データと統合することで,三次元地図を拡大する. この計測の過程で,二足歩行の障害となり得る床上の小さな物や段差を検出すると,その大きさと位置・姿勢を検出し,可能ならば自動的にそれを跨いで回避を行う. また,作成された三次元地図をロボットナビゲーションで一般的に用いられる占有格子地図に変換することで,単純な経路計画とナビゲーションを実現する.