1分子蛍光イメージングに対する尤度比検定を用いたアプローチ

山下哲矢 (0651134)


1分子蛍光イメージングは, 蛍光分子を観測したい分子に付与し, 光学顕微鏡 で計測することで, タンパ ク質などの生体分子の1分子レベルでの挙動を観察する手法である. この手法では, 蛍 光分子の輝点を分離できる最小の距離が, 単一分子レベルでの解像度を決めるこ とになる.

本研究では, 検出力最大の意味で統計学的に最も優れた尤度比検定を用いて, 輝 点が1つか2つかの判断を行う手法を提案し, さらにその検出限界を定 量化する. その際, フォトンの発生数に関するばらつき, 回折による確率的な散 乱の効果や顕微鏡の機器によるノイズを考慮に入れることで現実に近い問題設定での判断を実現した. また, こ の検定による過誤を計算することで, 最適な解像度を実現する条件を考察するこ とができる.