耐故障性量子計算におけるエラー訂正回数の削減手法の提案

本間 知教 (0651109)


1996年にP.Shorは耐故障性量子演算(FTQC)を考案した. Shorの手法は量子符号化を行った量子ビットに対して、 その符号化状態1ブロックの内、1量子ビットに生じたエラーが同じブロック内の他の量子ビットにエラーを伝播させないようにするという手法であった. 2000年にNielsenとChuangが発表した論文には、全てのゲートの前後に耐故障性量子誤り訂正回路を挿入する手法が考案されている. しかし、量子誤り訂正回路はサイズが大きく、その誤り訂正回路自体が誤りを生じる可能性もある。 そのため、量子誤り訂正回路を挿入する回数をできるだけ少なくすることが望ましい。本論文では量子回路上で耐故障性量子演算が使われる事を想定した上で、量子誤り訂正回路をどのタイミングで挿入すればよいかを考察することとする。