部分領域高速読み出しイメージセンサを用いた屋内ユーザ測位システム

二村 智康 (0651091)


刻々と変化する人の現在位置を利用したサービスへの関心が高まりつつある. 屋外においてはGPSが広く一般に普及しているが,屋内を対象としたユーザ測位システムは多くの手法が研究されている一方, それぞれ異なった特徴を示しており決め手となる手法が確立されていない. 本発表では,オフィスなどの屋内環境を対象に,赤外発光タグと部分領域高速読み出し可能なセンサを用いた 簡素なシステム構成でユーザの位置同定と識別を可能にするユーザ測位システムを提案し, プロトタイプシステムを構築して実験によりその有効性を示す. 提案システムは,ユーザが携帯する赤外発光タグの発光を,赤外透過フィルムと広角レンズを取り付けた イメージセンサで検出し,少ないセンサで安定した位置同定を行う. センサには通常のフレームレートで撮影する画像と,指定した部分領域を高速で読み出す画像を同時に撮影可能なセンサを用い, 検出されたタグの発光位置で高速画像を撮影し,タグの点滅に含まれるID情報を読み取りユーザ識別を行う. 実験により,構築したプロトタイプシステムでは1秒間に2回以上ユーザ識別可能であること, 現在の位置同定の精度で位置情報を利用したアプリケーションが実現可能であることを確認した.