エピテーゼ固定位置検出のための顔の時系列形状復元

西田 武司 (0651088)


事故や病気で顔面や顎の一部が失われた実質欠損に対する治療の場合に,エピテーゼと呼ばれる身体部位を模した人工物を作成して,欠損部位を埋める処置がなされることがある.エピテーゼの利用により,外観の改善・呼気や食物の漏れの防止・欠損部や口腔の乾燥防止・心理的な障害の改善などが見込まれる. エピテーゼの作成にあたっては、形態および色調の再現はもちろん重要であるが、マージン(身体と隣接している部分)の適合性や、安定して維持されることも重要である。このうち,マージンの適合性を向上させるには,顔面中の動いていない部分をマージンとするようにエピテーゼを作成することが効果的である. しかし,現在顔の動きを考慮してエピテーゼの固定位置を検出するためのシステムは存在しない.
本研究では,エピテーゼを長く安定して維持するために,患者の顔の自由運動から顔面中の動いていない部位の検出を行うのに利用できる時系列に変化する顔形状をパターンコード化法を利用して復元する.