本研究は,デスク周辺の環境におけるコミュニケーションを目的とする.まずロボットがある行動を実行し,その行動がユーザの妨げになったか否かの反応とその時のユーザ状況情報をペアにして取得する.ロボットが数種類の行動を繰り返し実行することで得られるデータから,各ユーザ状況において実行可能な行動を決める行動決定モデルの生成を行う.ユーザ状況の獲得には,カメラなどのセンサ情報やユーザのパソコン機器の状態などのマルチモーダルな情報を利用した.これらの情報を時系列情報として記録し,その結果得られるユーザ状況の履歴から行動決定モデルを生成する.また,行動決定モデルの高精度化のため,ユーザ状況情報の中から判定に悪影響を与える外乱情報を解析し,その情報を除去する.
実際に,データ取得実験を行って行動決定モデルを生成し,本システムの有効性を示す.また,異なるユーザ間での行動決定モデルの比較検証も行った.