鏡面反射を利用した中空透明物体の形状計測手法
辻村 裕美 (0651074)
文化財や美術品の中には,ガラスなどの透明な材質で作
られたものが数多く存在し,このような物体の三次元形状
計測では,非侵襲,非接触な計測手法が望まれる.しかし,
透明物体は光を透過するため,レーザレンジファインダな
ど,物体表面での拡散反射を前提とした手法では計測が困
難である.また,透明物体の形状計測を目的として,物体
表面での反射光の偏光特性を用いた手法などが提案されてい
るが,研究は表面形状のみを計測の対象としている.
本発表では,ガラス製コップなどにみられる中空な
透明物体にも適用可能な三次元形状計測を目的とし,投影
したスリットラインの物体表面での鏡面反射を観測し,
アクティブステレオ視の原理をもとに透明物体の形状を計測する手法を提案する.
さらに,中空な透明物体の厚みを一定と仮定し,
光が透過する際の屈折を考慮し,
屈折率の推定と同時に中空な透明物体の厚みの推定方法を紹介する.