スケーラブルな無線計測基盤を利用した通信可能エリア検知システムに関する研究

妙中 雄三 (0651053)


将来の無線ネットワークは,途切れがなく品質管理の行き届いた無線エリアが広大な面積に敷設されると想定される.そのため,無線ネットワークが周辺環境の影響を受けるという特徴を考慮したネットワーク構築・管理技術が必要となる.周辺環境の影響は,実際に設置する位置によって異なり,シミュレーションでの再現性も乏しいため,無線計測が重要となる.さらに,無線エリア全域における無線計測が必要となり,スケーラブルな計測技術が要求される.そこで,本研究では,ネットワークを利用する一般のモバイル端末の自発的な通信を通信品質として取得し,位置情報と対応づけることで,無線エリア全域を計測する無線計測フレームワークを提案する.その結果,現在の技術者が行う手作業での無線エリアの計測を大幅に削減でき,よりスケーラブルな構築・管理が実現できる.さらに,無線計測フレームワークで取得した情報をもとに,途切れのない無線エリアの実現に必要な通信可能エリアの検知手法を提案・評価する.最後に,評価結果に基づいて,無線計測フレームワークの実環境における有効性と問題点について議論する.