2層のGSOシンチレータを用いた小型で高感度なポジトロン検出器の開発

坂本 祐輔 (0651043)


 ポジトロン検出器は陽電子放出核種断層撮影(PET:Positron Emission Tomography) 画像を定量化する際に必要な血中放射能濃度連続測定システムに必要である.従来の検出器にはβ線を直接検出する検出器やコインシデンス型検出器,ホスウィッチ型検出器がある.しかし,β線を直接検出する検出器には感度,コインシデンス型検出器,ホスウィッチ型検出器にはサイズに制限がある.

 本発表では小動物を対象としたCerium(Ce)濃度の異なる2層のCe添加Gd2SiO5(GSO) シンチレータを組み合わせた小型で高感度なポジトロン検出器を開発したことを性能評価の結果を交えながら報告する.開発した検出器では1 層目のGSOシンチレータでポジトロンを検出する.また,γ線を1層目,2層目のGSO シンチレータで検出する.GSOシンチレータはシンチレータ中に含まれるCe濃度に応じてシンチレーション光の減衰時間が変化する.この減衰時間の差を利用して1層目と2層目の信号は弁別可能となる.ポジトロンの計数は1層目の計数から2層目を差し引くことで求める.

 ポジトロン検出器の性能評価として.Fluorine-18(F-18)とCarbon-11(C-11)を用いて感度,計数率特性を測定した.また,F-18を用いてバックグラウンドの影響やラットを用いた動作確認を行った. 感度はF-18およびC-11でそれぞれ8.6%,24%であった.また約25倍のバックグラウンドノイズから検出器が受ける影響は小さかった.さらに被験体にラットを使用しF-18を投与し血中RI濃度を連続測定し,検出器の動作を確認した.