対話型進化計算に基づく「合コン」割り当て問題の解法及び相性探索システムの提案と計算機実験による評価

黒岩将 (0651035)


 「合コン」は,主として男女が交流を深めることを目的に集う会合であり,基 本的には男女同数,6〜8人くらいで行われるのが一般的である. 合コンは,1対1のお見合いに比べ一度に何人もの異性に出会える,会合ならで はの楽しさがある, 集団お見合いパーティと比較して一人当たりの話せる時間 が長いという3点で優れている. こうした利点は,相性の良い男女がうまく同じ合コンに配置されることで更に 活かされうる.

 本論文では,大人数の男女集団の中から相性を考慮して男女を少人数の部屋 に割り当てる問題を,合コン割り当て問題として定義し,これを対話型進化計 算(IEC, Interactive Evolutionary Computation)の枠組みに基づいて解く システムを提案する. IECは,進化計算の解候補群の評価関数を人間に置き換えたもので,解の評価 値(適応度)を実際の人間の評価によって決定する手法である.

 本研究で提案するシステムは,多数の合コン参加者に対し,年齢,血液型,学 歴,趣味,年収などの属性情報を入力し,カップル成立の可能性が高い合コン の部屋割りを出力するとともに,合コンを何度も繰り返してその結果をフィー ドバックすることにより,高い確率でカップルが成立する男女の属性の組合せ を発見する.

 提案システムを評価するため,N個のピーク(相性の良い男女の属性の組合せ に相当)を持つ多峰性関数であるN-MAX問題を定義し,N=2,3,5の場 合について計算機実験を行った.結果,多様な属性を持つ多数の男女のデータ から,提案システムが,他の手法よりカップル成立率が高い部屋割りを算出す るとともに,合コンの繰り返しにより,未知である相性の良い属性の組合せを 高い精度で算出できることを確認した.