本論文では,大人数の男女集団の中から相性を考慮して男女を少人数の部屋 に割り当てる問題を,合コン割り当て問題として定義し,これを対話型進化計 算(IEC, Interactive Evolutionary Computation)の枠組みに基づいて解く システムを提案する. IECは,進化計算の解候補群の評価関数を人間に置き換えたもので,解の評価 値(適応度)を実際の人間の評価によって決定する手法である.
本研究で提案するシステムは,多数の合コン参加者に対し,年齢,血液型,学 歴,趣味,年収などの属性情報を入力し,カップル成立の可能性が高い合コン の部屋割りを出力するとともに,合コンを何度も繰り返してその結果をフィー ドバックすることにより,高い確率でカップルが成立する男女の属性の組合せ を発見する.
提案システムを評価するため,N個のピーク(相性の良い男女の属性の組合せ に相当)を持つ多峰性関数であるN-MAX問題を定義し,N=2,3,5の場 合について計算機実験を行った.結果,多様な属性を持つ多数の男女のデータ から,提案システムが,他の手法よりカップル成立率が高い部屋割りを算出す るとともに,合コンの繰り返しにより,未知である相性の良い属性の組合せを 高い精度で算出できることを確認した.