歩行中の運動計測による身体異常状態推定
倉木 大輔 (0651032)
現在,様々なリハビリの手法が提案されているが,その効果を評価する方法が必要とさ
れている.
従来研究としては,被験者の腰部に加速度センサを付け歩行速度や
安定性を計測し,リハビリ手法の違いによる歩行能力の評価を行っているものがある.
また,モーションキャプチャを用いて歩行姿勢の善し悪しを評価してい
る研究もある.他にも床反力計などを用いた歩行評価などが行われている.
しかし,これらの研究は計測す
る対象としては一つの部位のみに注目しており,全身の解析を行っていない.そ
のため
,身体の一部の異常状態がどの部位まで影響を及ぼすか調べているものは少ない.
そこで本研究一つ目の目標として,「歩行中の異常状態が,
身体のどの部位に影響を及ぼすか」
ということを調べる.これを行うことにより,より詳細な異常状態を把握でき,
またリハビリへの有効活用が見込まれる.
手法として,モーションキャプチャを用いて正常状態と異常状態の二つの歩行中
の全身の加速度データを取得し,各状態の加速度データを比較して解析を行い,
異常状態の身体運動に及ぼす特徴を抽出する.
そしてこの異常状態の特徴の有効利用法として,隠れマルコフモデルを用いた
状態推定システムを作成することを,この研究の二つ目の目標とする.
ある歩行データを取得したとき,先ほどの異常状態の特徴を用いて,
歩行の状態推定を行う.