スケーラビリティを考慮したセンサ駆動アプリケーションフレームワーク

大西 洋司 (0651023)


近年のセンサ機器の発達により,センサの状態を監視し,センサの値があらかじめ指定した条件に一致したときに何らかの処理を行うというセンサ駆動サービスが普及しつつある. しかし,利用するセンサの個数が増加すると,多数のセンサを同時に扱うアプリケーションが複雑になるというセンサとアプリケーションの密結合の問題や,センサから取得されるデータが膨大になりネットワークやアプリケーションの負荷が増大するといったスケーラビリティの問題点が発生する.

本研究では, これらの問題を解決するスケーラビリティを考慮したセンサアプリケーションフレームワークを提案する. 提案フレームワークでは,センサにサービスレイヤを持たせ,センサ固有の情報を扱い,処理をすべて行わせることで,アプリケーションの密結合の問題を解決した. それに加え,Publish/Subscribe型のメッセージ交換パターンをベースとした通信を用いることで通信やアプリケーションの負荷を軽減させることができた. また,提案フレームワークを実装し,上記の問題点が解決できていることを実験により確認した.