Field Mapping法によるEcho-Planar Imagingの空間歪み補正の検討

石田 健二(0651008)


 核磁気共鳴現象を利用して画像を取得するMagnetic Resonance Imaging (MRI)が臨床における診断や生体計測の研究などに用いられている。例えば、function Magnetic Resonance Imaging (fMRI)はMRIの原理を利用してヒトや動物の脳に関連した血流動態反応を視覚化することで脳機能を計測している。これらの研究のほとんどはEcho-Planar Imaging(EPI)と呼ばれる高速撮像法を用いて行われている。しかし、EPIは静磁場不均一による影響を受けやすく画像が位相エンコード方向に歪みやすいという問題がある。
 この歪み補正として提案されているField mapping法では、空間歪みが返って強調されてしまう問題がしばしば起こる。Field mapping法は、TEの異なる二つのGradient Echo(GE)画像から計算した静磁場不均一(Fieldmap)を求めることでEPI画像の歪み補正を行うものである。しかし、EPI画像とFieldmapの空間歪みが異なるため完全に一致しない。
 本研究では、この問題を解決するためにFieldmapの外挿補完の方法について、エッジ領域の値を用いた定数値外挿補完法と4次多項式関数を用いた近似による外挿補完法の二種類について検討した。
 本発表では、Fieldmapの外挿補完法について定量評価した結果を紹介する。また、各軸方向の静磁場不均一とEPI画像の歪み補正への影響について述べる。