装着した3次元磁気センサを用いた歩き・走り状態に対応したユーザの自己位置推定

山中 一樹 (0551129)


ユーザの現在位置に応じた情報提供を広域環境で実現するため,様々なユーザ位置推定手法が提案されている. 特に,屋内におけるユーザの自己位置推定においては,環境中のインフラを用いた絶対位置計測と ユーザに装着されたセンサを用いた自律的な相対位置計測を組み合わせた手法が主流である. この場合,環境中のインフラは設置コストが利用範囲に比例して増大するため,自律計測の精度向上が望まれる. 従来の自律計測手法は,一般にユーザの歩行動作を認識するため, 移動動作が通常の歩行動作に限定されるといった制約があった.
そこで本研究では,装着した3次元位置・姿勢センサ,絶対姿勢センサを用い, 通常の歩行動作に限らず,両足が地面から離れる期間の存在する走り状態に対しても, 自己位置が推定可能な手法を提案する. 本発表では,両足が地面から離れる期間の存在する移動に対応した移動量推定手法について 詳述する. そして提案手法の有効性を示し,自己位置推定実験により推定精度の定量的評価を行った結果を述べる.