自然特徴点ランドマークデータベースと姿勢センサを用いた高速な回転にロバストなカメラ位置・姿勢推定

松田幸大 (0551113)


カメラの位置及び姿勢を実時間で推定する技術は,拡張現実感やロボットナビゲ ーションなど,様々な分野への応用が可能である.これらの分野では,マーカや センサなど物理的なインフラの整備を必要とせず,誤差が蓄積しない絶対的な位 置及び姿勢の推定手法が望まれている.従来,事前に環境内の撮影及び計測を行 うことで景観内の自然特徴点の三次元情報や画像テンプレートをランドマークと してデータベース化しておき,入力画像上の特徴点とデータベース内のランドマ ークを複数組対応付けることでカメラの位置及び姿勢を推定する手法が提案され ている.しかし,従来手法では,カメラが高速に回転する場合,特徴点とランド マークを正しく対応付けられず,カメラの位置及び姿勢の推定誤差が増大する問 題がある.本発表では,自然特徴点ランドマークデータベースと姿勢センサによ り得られる角速度情報を併用することで,カメラが高速に回転する場合において も位置及び姿勢をロバストに推定する手法を提案する.提案手法については,以下の順に説明する. まず,角速度情報を用いることで,データベース中の多数のランドマークから推定に用いるランドマークを効果的に選択する 処理について説明し,次に,選択されたランドマークの画像テンプレートに対して入力画像と同様のモーションブラーを再現する 処理について延べる.最後に,テンプレートマッチングによって入力画像内の特徴点とランドマークを対応付け,カメラの位置及び姿勢を 推定する処理について説明する.発表の最後に,並進移動するカメラに高速な回転を与えて取得した動画像 からカメラの位置及び姿勢を推定し,特徴点とランドマークの対応や推定された カメラの位置及び姿勢の推定精度を検証した評価実験について述べ,提案手法の有効性を示す.