人間計測に基づく短期的および中期的な歩行者の経路予測に関する研究

堀内 崇宏(0551110)


ロボットを人のいる環境内で安全に活躍させるためには, さまざまな要素技術が必要となる. その中でも歩行者の経路予測は, 歩行者との衝突の危険性を軽減させながらロボットを 高速化するためには必須の技術である. 歩行者の経路予測問題では, 運動を等速直線運動と仮定した研究や, あらかじめゴールや歩行経路を設定した研究はあるが, ロボットには, このような前提を必要としない手法が必要である. 本発表では, 短期的な予測と中期的な経路予測手法を提案する.

短期的な経路予測問題では, 立脚側の足部の向きと, 次の一歩の着地位置に着目し, 直線経路以外の経路を予測可能な予測手法を提案する. 計測から立脚側の足部の向きと 次の一歩の着地位置には強い関連性があり, 立脚側の足部の向きに注目することにより, 次の一歩の着地位置が予測可能であることが分かった.

一方の中期的な問題では, まず, 環境内で人間が行動した経路を計測し, グリット地図上の各セルにおける, 歩行者の運動を表す確率を求めた. 求めた確立を基にしたコストを用い, 経路予測問題を, 最適経路探索問題として解き, 実験を行った結果, 歩行者がよく通る場所では, 高い確率で経由点を推定することが, 可能であることが分かった.