被写体距離を考慮したImage-Based Renderingによる広域屋外環境のステレオ画像生成

堀 磨伊也 (0551109)


遠隔地の情景をユーザに提示し,あたかもその場にいるのと同様の感覚を与える 仮想現実感技術はテレプレゼンスと呼ばれ,いかに遠隔地の情景を臨場感豊かに提示するかが課題となっている. 広域屋外環境のように複雑な形状や表面特性を持つ対象が多数存在する場合には Image-Based Rendering (IBR) を用いた試みが多く行われている. 本研究では,広域屋外環境を対象とした高い臨場感を与えるテレプレゼンスシステムの構築を目的とし, IBRを用いて自由経路で撮影された全方位動画像とRTK-GPS・慣性航法装置を統合した高精度なセンサにより 得られるカメラ位置・姿勢情報から両眼ステレオ画像を生成する手法を提案する. 従来,生成画像において撮影位置が異なる画像を同時に使用したときに 撮影位置が異なることにより生じる縦視差を考慮しない場合には,生成画像において歪みが生じる問題があった. 提案手法ではこの歪みを軽減するために,撮影位置が異なり,かつ同等の光線情報を持つ複数の画像から パターン類似度を用いてDPマッチングを行うことにより,簡易的に 被写体距離を推定し,推定された被写体距離を考慮して画像生成を行う. 本発表では,広域屋外環境におけるステレオ画像の生成結果を提示し, 自由な見回しと立体視が可能な テレプレゼンスシステムへの応用の可能性を示す.