非優先側運転者の交差点通過行動改善のための運転行動解析
東川 誠久 (0551101)
本研究では最多事故原因である出会い頭事故の減少を念頭に,非優先側運転者
の交差点通過行動を熟練ドライバと非熟練ドライバについて調べた.その結果,
熟練ドライバと非熟練ドライバの運転行動の違いは,停止行動と左右確認行動に
現れることを明らかにした.この両者の実験データをもとにしたシミュレーショ
ンによって,危険な交差点通過行動をとる非熟練ドライバの進入時における出会
い頭事故の可能性を示した.
次に,新たに構築した実験用車両を用いて非熟練ドライバが自身の運転を理解
しているか調べた.実験の結果,自分の運転を安全側に誤解していることが事故
の原因として作用している可能性を示した.
また,これと同時に一時停止や左右確認を強制すると運転行動にどのような変
化があるかを調べた.この結果,一時停止の指示を与えた場合,一時停止を行っ
たことで得られた余裕時間は左右確認には使われなかったことを示した.また,
左右確認の指示を与えた場合,停止線付近で速度を落とすといった効果はないこ
とを示した.