ヒューマノイドロボットのメディアとしての利用
林 宏太郎 (0551099)
本稿では，情報伝達のためのメディアとしての，人間型ロボット利用について報告する．現在の対話ロボットは，センシングの困難さゆえに余りインタラクティブ性が高くなく，高度な対話が行えないことが問題となっていた．しかし，ロボットを情報伝達のためのメディアであるととらえると，必ずしも高いセンシング能力は必要ではない．これまでに，複数のロボットが会話する様子を見せることで情報を伝達する社会的受動メディア（passive-social medium，以後PSMと呼ぶ）というアプローチを提唱してきた．本研究では，ロボットが情報伝達を目的とするメディアとして振る舞う際の，PSM方式の有効性，そしてセンサを利用してインタラクティブに振る舞うことの必要性について検証するために行った被験者実験と電車の駅での８日間のフィールド実験について報告する．実験結果は，社会的受動メディアが現実のフィールドにおいてメディアとして有効であることを示した．