コンパス型二足歩行ロボットの実機設計製作と歩行実験
初田 真吾 (0551097)
1990年頃から, ホンダのASIMOやソニーのQRIOをはじめとした様々なヒューマノイドロボットが開発されてきた.
これら多くのヒューマノイドロボットはZMP (Zero Moment Point) に基づいた制御を行うことで二足歩行を実現した.
しかし, ZMPに基づいた手法による歩行は歩容生成のための計算量が多く, また多数のセンサーやアクチュエータを必要とするといった欠点がある.
一方, 重力を有効に活用することにより二足歩行を行う受動歩行は, 単純な機構や消費エネルギーの少なさに加えて人間が行う歩行に
酷似した歩行をおこなえることから近年注目を浴びてきている.
しかしながら, この手法による歩行は方向転換や速度の変化, 停止動作といった歩容の変化をおこなうことが難しいという問題を抱えている.
移動機構として歩行ロボットを考えた場合に、どのような機構が歩きやすいかを明らかにすることは重要であるがこれまであまり研究されていない.
そこで一色らはコンパス型ロボットモデルを用いて, モデルの機構と歩行運動との間の関連性について解明し, 複雑な計算をせずに歩行速度制御や停止を可能とするPD制御を用いた歩容生成法を提案し, 数値シミュレーションにより歩行を実現した.
しかしながら提案された手法の有効性の検証はシミュレーションのみでは不十分であり, 実機による検証が必要であると考えられる. そこで本発表では実験のために設計製作したコンパス型ロボット実機の, 製作したコンパス型ロボットを用いて歩行実験を行い, 実際に歩行が実現できることを確認する.
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