バーチャル大腸内視鏡における適応的カメラ操作インターフェース
辻村 壮史 (0551087)
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3次元医用画像から計算機上で人体器官を再構成し,内視鏡のような画像を提示するバーチャル内視鏡が,
医用画像診断支援方法の1つとして注目されている.その利点の一つに視点の自由性があげられるが,
大腸のように複雑な形状を持つ器官においては,カメラの自由度に対応した一意的な操作法では操作が煩雑になる.
また,カメラ操作を自動化した場合はユーザの意思が反映されにくい.
本研究では,目的と状況に応じて適切な動作を選択し実行する適応的カメラ操作インターフェースを提案する.
大腸内壁の診断手順における作業段階と,
現在ユーザに提供している画像情報を手がかりとして,最適な動作が選択される.
提案インターフェースでは,診断を病変部の探索と,発見した病変部の指定及び観察の2段階に分ける.
探索においては,画面内の位置,カメラからポインティング対象までの距離,ポインティング位置周辺の対象物の形状に
基づいて,注目点の方向に進む・視点を回転させる・ひだをまわり込む動作を適応的に選択する.
提案インターフェースを持つバーチャル大腸内視鏡を実装し,タスクを設定して被験者に使用してもらい,
主観的な評価を得た.