本発表ではそのようなロボットシステムの1つとして挙げられるキャッチングタスクを達成するための手法を提案する.提案手法での注目しているポイントとして以下の2つがある.1つは,キャッチ時には捕獲対象物とマニピュレータの手先を位置だけでなく,速度も同じ,つまり相対速度ゼロの状態にすることで衝撃を発生しないキャッチ方法をとることである.このことで,捕獲対象物をやさしく扱うことができ,人間に対してもやさしい印象を与えることができる.もう1つは,捕獲対象物の現時点での位置情報から未来時刻における状態を予測し,目標キャッチ位置を軌道を生成する前から判断することである.キャッチ時におけるロボットの目標状態を予測することでハードウェア面での大きな負担になる突発的な動作を避けたロボットの軌道を生成することができる.また,最適制御理論を用いて軌道生成することで非常になめらかなロボットの動作を生成することができる.
これらをふまえた提案手法を実機に即した数値シミュレーションで検証しその有効性を確かめる.