光子数分割攻撃に強い量子秘密通信の提案と評価
竹谷昌敏(0551080)
現在,インターネットを利用する際に暗号技術は欠かせないものである.
そして、現代暗号の代表格であるRSA暗号は因数分解の困難性をその安全性の拠り所としている.
しかし、量子計算機で因数分解を高速に解ける事がわかった.
そのために、現代の数体暗号に代替となる新しい暗号が必要となった.
代替として提案された解決策は通信媒体として量子を利用する量子暗号である.
量子暗号はその安全性を計算量ではなく、量子力学の不確定性原理と複製可能原理によって保証されている.
量子通信路を用いて古典の乱数を2者間で安全に共有する鍵配送プロトコルが有名であり、かつ実用的である.
BennettとBrassardが書いたBB84は単一光子を媒体として通信できる場合に無条件安全である事が示されている.
だが,現実的に単一光子を安定的に発生させる事は技術的に困難である.
もし常に多光子が発生した場合,BB84は光子数分割攻撃によって破られる.
本論文では量子封印を用い、光子数分割攻撃に対する耐性を持つ量子通信に対し定量評価を与えた.