ディジタル信号処理型無線変復調器における所要ビット精度算出の自動化設計に関する研究

高山 晴次 (0551077)


本研究では,ディジタル信号処理により構成される無線変復調器において演算に必要なビット精度を 自動的に求める手法について検討する.ディジタル信号処理型変復調器の入力信号やフィルタ内部の信号の数値表 現は,語長を長くすれば丸め誤差や演算誤差は少なくて済むがハードウェアの規模と演算時間が増 大する.そこで,効率的なハードウェアの実現のために必要なビット精度を求めることが重要になる. 演算や量子化による誤差の解析は古くから行なわれている.しかし,変復調器では全体の構成が非 常に複雑になっているため,全体の理論解析を行うことは困難である.現在は,シミュレーション においてブロック毎に数値演算精度を変化させビット誤り率に対する影響を測定する方法を用いて いた.しかし,シミュレーションを行う手法では,所要ビット精度の算出に長い時間を要するとい う問題がある.そこで,ブロック毎の誤差が全体に与える影響を近似的に導出することで所要ビット 精度算出の自動化を行う手法を提案する.