人の生活環境でサービスを提供することを目的としたロボットが開発され,
ロボットの行動する領域は人の生活環境に広がろうとしている.
移動はロボットの基本機能の一つであり,
人の生活環境下で,安全でかつ効率良くロボットが行動するためには,
人を認識し人の動きを考慮した上で,ロボットの移動経路を計画することが重要である.
また移動機構に関しては,車輪型のロボットは効率,コストと即応性の観点から
主流になると予想される.
しかし従来からロボットに与える経路生成で多く用いられている
グリッドベースの地図上を最短経路探索の手法で得た経路では,
グリッドの拘束によって不連続な経路を生成してしまいロボットの動きはスムースにならない.
そこで本研究では二輪駆動ロボットに焦点をあて, 二輪駆動ロボットの動きが安全でロボットにとって効率の良い 滑らかな経路の生成を目的とする.
本研究では探索時に経路の滑らかさを生み出すために 二輪駆動ロボットの挙動を模した滑らかなカーブを固定形状として持つ探索木を ステアリングセットと定義し, この離散的な枝を用いて探索を行う手法を提案する.. B-Spline曲線によるステアリングセット,四分円によるステアリングセット についてシミュレーションを行い,四分円によるステアリングセットを 用いた場合にもっとも滑らかな経路を得られた. また実際の二輪駆動ロボットに四分円ステアリングセットによる 経路探索を実装しその挙動を検証した. その結果,従来から用いられているグリッドベース上を最短経路探索した結果と比較し, 滑らかで効率のよい走行結果が得られた.