鏡面球を用いた複合現実感における映り込みと質感表現
佐賀野 正行 (0551059)
現実で表現することが困難な物や,状況により確認できない物を頭の中で想像することは非常に困難な作業であり,間違った判断をすることがある.そこで,想像に頼っていた物をCG(Computer Graphics)により現実環境に合成する複合現実感という技術が研究されている.
本研究では,複合現実感における融合要素である光学的整合性について注目し,光学的整合性による映り込みと質感表現手法を提案する.Sphere Mappingを用いることで実時間における映り込み表現を実現し,さらに,床平面に対し仮想物体を反転させ現実環境に合成することで,仮想物体への現実環境の映り込みだけでなく現実環境への仮想物体の映り込みを実現する.質感表現に関して,環境マップにアルファ値を持たせることで映り込みの割合を,Torrance-Sparrow反射モデルによるシミュレーション画像をもちいて,環境マップをスムージングすることにより表面の粗さを表現する.また,Torrance-Sparrow反射モデルにおける映り込みパラメータを,実物体を計測し最小二乗法により推定する.また,本提案手法を統合し,簡便なシステム構成によるインタラクティブなアプリケーションを構築する.