注釈対象の形状を考慮したビューマネージメントのためのARオーサリングシステム

小谷 享広 (0551050)


現実シーンに注釈等を重畳表示することで,直感的な情報提示が可能なモバイル拡張現実感(AR)において,注釈はその対象となる実物体と直感的に関連付けられる位置に配置されることが望まれる. 従来,注釈の存在位置を現実環境中の1点として設定することが一般的であったため,注釈対象の形状が考慮されず,隠蔽表現や正確な注釈の配置を行うことが困難であった. この問題を解決するためには,各注釈の対象物体の形状を考慮して注釈の配置を行う必要がある. 本発表では,注釈の対象物体の形状を考慮したビューマネージメントのためのARオーサリングシステムを提案する. 本研究ではモバイルARシステムを用いて,注釈の対象物体となっている実物体の形状を効率的に設定することが可能な手法を提案する. 提案システムは効率よく注釈の対象物体の形状を設定可能にするため,2つのフェーズにより構成される.第1フェーズでは環境の大局的な俯瞰を行いながら大まかな物体の形状の設定を行う.第2フェーズでは現実環境中においてモバイルARシステムを用い,複数地点から物体の輪郭形状を指示することで,視体積交差法の原理に基づき,物体形状の設定を行う. 本発表では提案システムを用いた形状設定実験を行い,注釈の対象物体の3次元形状を考慮したビューマネージメントを行った結果を述べる.