従来から画像計測の応用として,ビジュアルフィードバック制御が注目されて
いるが,高速な画像処理系は一般に高価であるため導入への障壁となってきた.
しかし,近年のPC 用マルチメディアデバイスの急速な普及とCPU の高速化に
伴い,専用ハードウェアの必要のないビジュアルフィードバック系を構成できる
可能性が高まっている.
そこで,本研究では最高毎秒30 フレームのビデオレートで動作する汎用Web
カメラとPC によるビジュアルフィードバックシステムを構築し,倒立振子系の
制御をおこなった.また,測定実験により作成した処理系には,およそ100ms の
センシング遅れが存在することが分かった.そこで,センシングの遅れの存在下
でのビジュアルフィードバック制御を達成すべく,遅れを考慮したLQG 設計と
サンプル値H∞ 設計をおこなった.
これらのシミュレーション,実機実験の結果
を示し,Web カメラとPC によるビジュアルフィードバックシステムの実用性検
証と考察をおこなう.