屋外環境の異種三次元計測データに対する動的輪郭法を用いた三次元モデル生成

北市 泰寛 (0551042)


屋外環境の三次元モデルは,ナビゲーション,シミュレーション,ウォークスルーなど,様々な分野への応用が可能である. そのため,屋外環境の三次元モデル生成に関する研究が近年盛んに行われている. 屋外環境の三次元形状を計測する手段として,レーザーレンジファインダを用いて奥行きデータを取得する方法や,動画像を用いて特徴点の三次元位置を求める方法などがある. 本論文では,このような計測手段で取得され,位置合わせされた三次元点群データを用いて,連続した表面形状モデルを自動生成する手法を提案する. 一般に,都市などの屋外環境の形状計測においては,都市環境の構造上,建物の屋根等のように地上からの計測が困難な部分が存在する. このため,完全な形状モデルを構築するためには,地上からの計測に加えて,ヘリコプターなどの飛行物体からの計測結果を統合的に用いることが必要となる. ただし,異なる計測手段を用いて得た点群データは,計測手段や計測位置によって計測密度や計測精度が異なるため, 連続した表面形状モデルを生成するためには,これらを考慮することが必要となる. また,本研究では,モデル化の対象として屋外環境を扱うため,比較的計算コストが少ない手法が望ましい. そこで,本論文では比較的計算コストの小さい動的輪郭法の枠組みを用い,計測密度および精度の違いを考慮した三次元モデル化を行う. 実験では,地上で計測されたレーザーレンジファインダによって得られた三次元点群と,ヘリコプターによって上空から撮影された動画を用いて得られた三次元点群を統合した広域点群データに対してポリゴンモデル化を行い,本手法の有効性を検証する. 発表では,本研究で行った,屋外環境における三次元点群データの取得方法について,および,取得した点群データに対する,計測密度および精度の違いを考慮した動的輪郭法を用いた三次元モデル化の手法について述べる. また,実験結果について,および本手法の有効性について述べる.