ネットワーク特性と拘束条件を考慮した遠隔制御法の実機検証

甲斐 宏輝 (0551031)


機械システムなどの現実の制御系では,制御入力や状態に関する拘束条件を考慮する必要がある.また,システムをネットワークで遠隔から制御する場合,信号の伝送遅延やパケットロスが発生する.このような拘束条件や通信ネットワークにおける特性を考慮せずに構成された遠隔制御系では,制御性能の悪化や不安定化を引き起こす可能性があり,とくに拘束条件を考慮しない場合,機器の故障の原因となり得る.
この問題に対して,時変の伝送遅延やパケットロスなどのネットワーク特性が影響する場合においても拘束条件を達成する遠隔制御法が提案されている.この手法は,最大出力許容集合の不変性を利用したもので,制御対象のあるクライアント側にスイッチング制御,参照入力を与えるホスト側にリファレンスガバナという手法を併用し適用したものである.本研究は,この手法をDCモータを用いたネットワーク型拘束システムに適用し,ネットワーク特性の存在する環境下で実験を行うことでその有効性を検証する. また,同様の問題に関して,外乱の影響下においても拘束条件を達成するように,遠隔制御法を拡張し,その有効性を検証する.