対して,MRI(Magnetic Resonance Imaging:核磁気共鳴断層撮影) は体内におけるプロトン(水素原子核)から発生する 電磁波を検出することにより断層像を作り,主に体内の解剖学的情報を得ることができる. 近年,これらの画像診断技術は目覚しい発展を見せており,特に複数の画像診断装置を用いた研究は多く 研究されている分野の一つである。
本研究では,市販のUSBカメラを使っての計測技術を用いて,医用画像重ね合わせシステムの開発のため, マーカーのステレオ撮影を行い,その3次元位置の計算,医用画像の重ね合わせを自動的に行うシステムを構築し, 安価な重ね合わせシステムのプロトタイプを作成,システムの検証を行うことを目的とする.
本発表では,USBカメラを用いたシステムでは3次元座標値を取得するためのDLT法,取得した3次元座標を用いて, 医用画像の変換行列を求める方法.この変換行列を用いて,医用画像を標準化された一つの座標系上に乗せた重ね合わせ法のことについて発表する. また,検証実験として,PET-PET,MRI-MRIの同一装置での重ね合わせ,PET-MRIの異なる装置での重ね合わせを心臓ファントムを使用して行った. またコンピュータシミュレーションを行い,本システムの誤差評価を行った. 精度に関しては改善の余地が有るが,今後,精度改善を図ることで実用可能なシステムになりうることが示唆された.