計測内容のシナリオ記述とタスクの集約を用いた分散アクティブ計測基盤の提案と評価
板谷 諭(0551009)
近年,インターネットがインフラとして発展することにより,品質面での要求も高まっている.
それに伴い,ネットワーク計測技術の重要性が増してきている.
広域ネットワークの計測には,複数のプロバイダーが管理するネットワークを越えての計測や,多数の計測ホスト,
計測ツールの管理,運用を可能とする分散計測基盤が必要となる.
本研究の目的は,スケーラビリティだけでなく,ユーザごとの異なる計測要求に対応し,多数の計測ホストと
計測ツールを利用するための統一されたユーザインタフェースを提供する分散計測基盤を開発し,広域ネットワークでの計測を支援することである.
提案システムでは,広域ネットワークの品質推定のための計測手法としてアクティブ計測を利用する.
また,ユーザインタフェースとして計測シナリオを記述するためのシナリオ記述言語を提供し,ユーザ毎の計測要求に対応する.
さらに,多数の計測ホストのある特定の条件でのグループ化と複数のユーザからの重複する計測の集約により,計測トラヒックを
削減し,スケーラビリティを向上させる.
実証実験の結果,提案システムによる広域での計測が可能であるか検証した.また,タスク集約機能の有効性についても考察した.