衝突回避と軌道追従を同時に考慮した自律移動体の切替え制御則に関する研究
磯田周孝(0551008)
自律移動体に対する重要な要求として,衝突回避と目標軌道追従が挙げられる.
そこで本論文では,移動体の衝突回避法と目標軌道追従制御の切替え手法を提案する.
また,衝突回避の中でも困難である,別の移動体がこちらに向かってくる状況を
扱う.この際,提案手法では,衝突回避の手法として,追跡-回避ゲームで見られる特殊な可到達集合
の概念を用いる.この集合は,バックワード可到達集合と呼ばれる.また,目標軌道追従には,
モデル予測制御を用いる.そして,
バックワード可到達集合を用いた衝突回避法と,目標軌道追従制御を適切に切替える
ことによって,両目的を同時に達成する.
ただし,切替えが入る構造では,切替え領域付近において,しばしばチャタリングが
発生することが知られている.本論文では,チャタリングを改善するために,
ヒステリシスの概念を導入する.さらに,数値例によって,提案手法の有効性を
検討する.