エバネッセント顕微鏡を用いた生体分子の一分子計測とマニピュレーション

長屋岳志 (04511)


本研究では、光計測技術を生体分子の一分子観察に応用することで次の3つの研究を行った。 “GCコンテントの一次元分布情報を用いた一分子DNAの読み出し”では、ゲノムDNA上では GCコンテントの分布が一様ではないことを利用し、一分子DNAの同定することを着想した。 ガラス基板表面上にGC特異的に染色して伸張固定したDNAをエバネッセント顕微鏡により一分子イメージングし、 その画像の蛍光強度からDNA上のGCコンテントの一次元情報を得て、DNAの同定を試みた。

次に、“光ピンセットを用いた一分子GST-GSHの相互作用の検出”では 多種類の蛋白質の相互作用を計測する実験系を開発し、蛋白質間の相互作用の定量的計測を試み、 その結果pNレベルの相互作用力を検出した。 そして、“エバネッセント照明光学系を用いた環境ホルモンの検出”では、 プロテインアレイとエバネッセント顕微鏡を用いて環境ホルモンを多種類、高感度に検出する実験系を開発した。 核内受容体とガラス基板との結合にマイクロビーズを用いて、 クロスリンカーで結合してプロテインアレイを構築し、 エバネッセント照明光学系を用いてバックグラウンドを抑えた環境ホルモンの高感度検出に成功した。 これら三つのテーマについて発表する。