目的指向型3者対話における自発的介入に関する分析

南嶋 正嗣 (0451112)


本研究では,2人の話者が旅行の行き先を決定する状況において進行役
(コーディネーター)がアドバイスを行うような3者対話を扱う.そのよ
うな対話において,コーディネーターの自発的介入を分析し,その結果
から自発的介入の発生の仕組みを明らかにする.
知人や関係者などが数人集まり,何かある1つの目的を持って話し合い,
その目的に対して1つの結論を導き出すという対話(目的指向型対話)は,
日常においてよく見受けられる.そういった対話において,対話参加者
はそれぞれ異なった意見を持つことが多いため,効率的に結論に達しな
いことがよくある.このような状況では,対話にコーディネーターが参
加することにより,より効率的に問題解決を進めることができると考え
られる.コーディネーターは,話者からの質問に応じるだけでなく,状
況に応じて自発的に対話に参入することで,問題解決を助ける役割を果
たす.
本研究では,音声データを文字に書き起こした上でタグ付けした対話コー
パスを用いて,タグ情報とフレームに基づいてコーディネーターの自発
的介入を分析し,自発的介入の発生の仕組みを明らかにした.