全反射蛍光相関分光法を用いたプロテインチップの開発

松本 将宜 (0451110)


タンパク質相互作用を大量に解析する需要が高まっている。しかし現在のところ網羅的解析法には 決定的な手法が存在していない。そこで既存の手法から利点を集めた新たなプロテインチップを 提案する。 プロテインチップの読み取りには、全反射蛍光相関分光法(TIR-FCS)を用いる。 蛍光相関分光法(FCS)とはレーザーを絞って観察領域を限定したうえで、その領域に存在する蛍光分子のブラウン運動による蛍光の揺らぎを測定し、その特性から蛍光分子の濃度や重さ、分子間相互作用を計測する技術である。 エバネッセント場は全反射が発生した際に発生する光の場であり、急激に減衰するため境界面からおよそ50〜200nmしか 到達しない。FCSにおける照明としてエバネッセント場を用いたのがTIR-FCSで、より低いバックグラウンドで計測することができる。検出にTIR-FCSを利用することで基板面への非特異吸着の影響を取り除くことができる。 本研究では全反射蛍光相関分光法の計測装置を構築し、その評価を行った。