ソフトウェア開発プロセスにおける定量的管理指標の導入支援
引地 一将 (0451098)
ソフトウェア開発プロセスの管理と改善の一手段として定量的管理がある.定量的管理とはプロセス中で定量的に測定されたデータから得られる管理指標に基づいて開発プロセスを管理することであるが,実践に際しては,測定データや指標に対する十分な理解やデータ測定や利用のための適切な計画立案が必須である.
本研究では,ソフトウェア開発プロセスに対する定量的管理指標の導入を支援する手法を提案する.本手法では,EPDG+ (Electronic Process Data Guidebook Plus) と呼ぶシステムを用いて,プロジェクトで利用する管理指標の選択や,必要となる測定や分析活動の作業計画への組み込み・確認作業などを支援する.
本論文ではまず,EPDG+全体の設計について述べる,次に,あるソフトウェア開発企業での複数プロジェクトに対する管理指標の利用状況調査の結果から見いだされた,管理指標の選択と利用に影響するプロジェクト特性を考察する.さらに,この調査結果をもとに,EPDG+で提供すべき支援情報についての,より具体的な検討結果と,それに基づくEPDG+の試作について述べる.