我々はロ ボットに仮想的な力覚や触覚を与える設計アプローチを提案する.ユーザーの生 体信号を計測し,その情報をロボットが実時間で受信することによって,ロボッ ト自身の拡張された力覚や触覚として知的行動に活用出来る.また,自分自身に センサを持たな いロボットが,ユーザーの生体情報を与えられることで仮想的に力覚や触覚を 有することができることを示した.最後にユーザーとロボットで協調運搬作業を 行い,提案アプローチの可能性を示唆する.
生体信号の中で,筋電信号と姿勢情報に着目した.実験用として,筋 電計測装置,モーションキャプチャ装置,制御対象であるロボットからなるシス テムを構築した. ユーザーの筋電信号から力ベクトルの大きさ,姿勢情報から力ベクトルの向き を推定した.数種類の基礎実験を行った結果,ユーザー自身の手の筋活動と姿勢で容 易に,かつ直感的にロボットを制御できることを示した.