脱力に着目したピアノ打鍵支援システムに関する研究

爲井 智也 (0451075)


ピアノ演奏で重要と言われる「脱力した」演奏の学習支援を行うシステムの開発 を目指して研究を行った. まず、「脱力した」奏法と「力んだ」奏法の比較を,示指の3関節を用いた打鍵動作を対象に行った. 本目的のため,示指の関節角度,筋電位,鍵盤の変位を同時に記録することの 出来る計測システムを開発した. 予備的な実験の結果,脱力した場合と力んだ場 合では筋電のパターンに違いが認められ,その結果として鍵盤の挙動にも違 いが現れることを示す. 特に指が離鍵する際の伸筋 の活性度と離鍵速度に強い相関が見られた.得られた結果から,今回開発し た計測システムを用いることによって演奏者の熟達度を評価する手法となり 得ることが期待される.

更にバイオフィードバックによる離鍵動作支援システムを開発したので、 このシステムを用いて行った学習実験の結果について報告する.