水平面内のリーチングタスクにおける拮抗筋を考慮した腕部の筋力推定
田中 孝志 (0451072)
近年,様々な分野で人間の身体運動の機能解明が行われている.人間は自由度に対し,数多くの筋肉を用い,冗長性である.それらの筋肉の中でも,拮抗筋の作用が生物らしい滑らかな動作のために不可欠であることが知られている.しかし,拮抗筋は互いに逆に作用する筋肉がペアで存在するため,従来の筋力推定法では推定することが不可能である.そこで,本研究では,拮抗筋の筋力推定を目的とする.その提案手法として,リーチングタスクを行い,3次元位置データと表面筋電を同時計測する.それらのデータから剛体リンクモデル,筋肉モデルを用いて各関節のトルクを求め,さらに,表面筋電から求めた筋力を拘束条件として加えて計算し拮抗筋の筋力を推定する.
本論文では従来の筋力推定法では拮抗筋の筋力は推定できないことを確認し,本手法を用いて拮抗筋を考慮した筋力推定ができることを示した.そして,拘束条件として加える拮抗筋の関係も示した.