ビューシーケンスを用いたヒューマノイドのナビゲーション

高松 渉 (0451071)


近年,人間の新しいパートナーとしてロボットに注目が集まっている.中でも,人間と似た形状を 持つヒューマノイドロボットは,人間の生活する実環境内での作業において,他のロボットよりも 人間に近い作業が可能であると期待されている. ロボットが自律的に作業を行う場合,ロボット自身の自己位置認識およびナビゲーションの機能が必須である. しかし,ヒューマノイドロボットに外界センサを新たに搭載することはサイズや重量,スペースの 問題から難しい.

そこで本論文では,ヒューマノイドロボットの内部に搭載されているカメラを用い, 自己位置認識およびナビゲーションの機能を実現する. そのためにランドマークなどのモデルを用いずに進むべき経路を画像列として記録し,その画像列との テンプレートマッチングによってナビゲーションを行うことを目的とする. 歩行ロボットでは画像にぶれがあるものがあるため,そのままではマッチングに用いることはできない, そこで画像列から歩行周期を推定し,ぶれによる相関値の変化の影響を除去する手法を提案する. 実際にヒューマノイドロボットHRP-2に提案手法に基づくナビゲーション機能を実装し, 直線経路,L字の曲がり経路双方での歩行実験によってその有効性を確認した.