残像を利用した非同期ビデオカメラ群によるボールの3次元軌跡の計測

高野橋 健太 (0451070)


ボールスポーツにおいてボールの行方に注目することは当然であり,ボールの3次元軌跡を求めることで,テレビ放送向けコンテンツの作成や正確なプレイの判定,スポーツの訓練支援などさまざまな応用が考えられる.しかし,一般的なステレオ法でボールの3次元位置を求めると,同期の取れた多視点映像が必要であり,かつ連続した正確な軌跡が求めることができないため,これらの応用への障害となっていた.本研究では,非同期のビデオカメラで連続したボールの3次元軌跡の計測が可能な手法を提案する.本提案手法は,シャッタースピードを調整して映像にボール軌跡の残像を記録し,その残像に視体積交差法を適用し,軌跡の3次元形状を求めるものである.計測された軌跡の3次元形状ではボール位置と時刻との対応が取れないため,フレームが切り替わる瞬間のボール位置を求めることで対応関係を付加する.本発表では,非同期の家庭用ビデオカメラで撮影された卓球とサッカーの多視点映像からボールの3次元軌跡の再構成を試み,計測結果から本手法で計測される軌跡の特徴や計測結果の解釈法,さらには本手法の発展について考察を行なった.