NAIST-IS-MT0451028: Oku Kenta

Context-Aware SVMに基づく状況依存型情報推薦方式の提案

奥 健太 (0451028)


本研究では,ユーザの置かれている状況(コンテクスト)に依存した情報推薦として,Context-Aware SVMに基づく状況依存型情報推薦方式を提案した.ユーザの要求はそのときのコンテクストに依存するが,これまでに協調フィルタリング等の情報推薦手法が数多く提案されているものの,ユーザの詳細なコンテクストを考慮したものはほとんどない.本研究では,ユーザに対する推薦情報の判定方法として,2クラス分類問題に適用されるSVM(Support Vector Machine)を用いた.さらに,ユーザの判断に影響するコンテクスト軸に基づき,SVMの特徴空間を拡張したContext-Aware SVMを開発した.このContext-Aware SVMを用いて,コンテクスト依存型情報推薦システムを実現する.本研究では,Context-Aware SVMをモバイル環境における飲食店情報推薦システムに適用した実験を行い,情報推薦にコンテクストを考慮することの有効性を検証した.

本発表では,従来の情報推薦技術の問題点を指摘し,情報推薦にユーザのコンテクストを考慮することの重要性について述べたうえで,Context-Aware SVMについて述べる.また,Context-Aware SVMを飲食店情報推薦システムに適用した例を示す.行った実験により得られた結果から,Context-Aware SVMの有効性について考察する.最後に今後の課題および展開について述べる.