地図情報と拡張現実感を用いた位置依存情報オーサリング

伊東大輔 (0451010)


拡張現実感(AR:Augmented Reality)を利用したヒューマンナビゲーションなどの位置に依存した情報提供サービスを実現する上で, ユーザに提示する位置依存情報を管理するためのオーサリングシステムの必要性が指摘されている. 近年,地図やARを用いたオーサリングを行うシステムなどの開発も盛んに行われている しかし,2次元および3次元の地図を利用したオーサリングの場合,地図と現実環境の不一致などにより, 最適な位置に必ずしもコンテンツを配置することができない. また,ARを利用してオーサリングを行う場合,利用可能なインタフェースの制限などにより,多くのコンテンツを配置するのに 時間的コストが増大するといった問題が生じる.

本論文では,地図情報を利用したシステムとモバイルARシステムを利用した2つのフェーズを切り換えてオーサリングを行うことで, コンテンツの提供者が意図した提示位置・姿勢にコンテンツを効率的に配置することが可能なシステムの構築を目的とする. 第1フェーズでは,地図を利用して環境の大局的な俯瞰およびコンテンツのオーサリングを可能にする. 第2フェーズでは,現実環境内でARを利用してコンテンツを提示し,実際の利用者の視点からシーンを見ながらオーサリングを行う. 本論文では,システムを構築し,複数のユーザによるインタフェースの操作性の評価実験およびコンテンツのオーサリング実験を 行い,さらに,被験者の評価結果よりシステムの有用性を示す.