項構造解析が実現すると,「彼が扉をひらく」<=>「扉がひらく」のような交替に代表される表現の多様性を吸収でき,言い換えや情報抽出, 質問応答などの自然言語処理技術の高度化につながる.
本研究では項構造解析の一手法である教師あり手法で必要な項構造タグ付き事例をいかに効率的に作成できるかについて議論する.具体的には,いくつかの類似性に基づき用例集合をクラスタリングし,得られたクラスタにタグを付与することでタグ付与コストを削減する手法を提案する.評価実験では,実際に提案手法を用いていくつかの述語についてタグ付き事例を作成し,それを用いた項構造解析の実験を通して,提案手法の有用性と大規模な訓練事例を利用することがどの程度精度向上に寄与するかを調査する.