動的に再構成可能な分散処理環境のためのオペレーティングシステム

赤木 永治 (0151201)


近年、多数の計算機が企業や研究機関、一般家庭に導入され、Grid コンピューティングなどによる計算能力の有効活用が注目されている。 しかしながらそれらの分散処理技術は、計算機資源を集中管理している ため計算機の稼働状態やネットワーク接続状況が頻繁に変化する場面 では有効に機能しない。 また環境構築やアプリケーション開発などに専門的知識と技術が 必要なため、多くの利用者は容易に利用することができない。 さらに、汎用オペレーティングシステムとの互換性がないため、 既存のソフトウェアを利用することができない。

このような問題の解決には、CPU資源を共有し計算機の状態変化に 柔軟に適応するために``自己組織性''があり、 計算機資源の位置を意識しなくても自動的に分散処理が行える ``位置透過性''を持ち、既存ソフトウェアがそのまま利用できる ``互換性''を有する分散処理環境が求められる。

本研究では、上記のような分散処理環境を構成する専用の オペレーティングシステムを提案および実装し、 その有効性を検証する。