タンパク質ドメインとタンパク質間相互作用による遺伝子機能予測

真保 陽子 (0251144)


大腸菌ゲノム内の遺伝子の約50%は未だ、機能未知である。共通の相互作用タンパク質を持つタンパク質どうしは、良く似た3次元構造を持っていると予測される。また、共通の相互作用タンパク質と結合する、類似性をもつタンパク質どうしは、重複遺伝子として進化的関係を有するため、機能未知遺伝子の機能予測が可能となる。ドメインとは、タンパク質の独立して折りたたまれる領域と定義されている。本研究では、ドメイン情報とタンパク質間の相互作用関係から、遺伝子機能予測を行った。ドメインの情報はswissPfam(http://ftp.genetics.wustl.edu/pub/Pfam/swisspfam.gz)から、タンパク質間相互作用データはGenobase(http://ecoli.aist-nara.ac.jp)から得た。タンパク質間相互作用データはプルダウンアッセイ法を用いたもので、3,007遺伝子からなる、11,531の相互作用が見られた。プルダウンアッセイ法において、ヒスチジンタグを付けたbaitタンパク質は、プラスミドにおいてIPTG誘導により発現させ、MALDI-TOF MSによって、baitタンパク質及び、baitタンパク質と結合したタンパク質を検出した。本解析では、タンパク質間相互作用データを、baitタンパク質がもつ共通結合タンパク質とドメインによって分類した。その結果、109の遺伝子からなる21のグループに分類された。それらグループの分子生物学的な意味を詳細に記述し、分類された結果から遺伝子の機能を予測した。