SIMO-ICAと多チャネル逆フィルタリングを用いたTwo-Stageブラインド音源分離・逆畳み込み

山丈 浩章 (0251127)


本発表では,複数の音源信号が混合して観測される場合において 観測信号のみから歪みのない音源信号を推定する ブラインド音源分離・逆畳み込み(Blind Separation and Deconvolution:~BSD) 問題を取り扱う. BSDは,従来のブラインド音源分離(Blind Source Separation:~BSS)とは異なり, 音源の分離のみならず,音源信号に畳み込まれた伝達系による歪みの除去を行う ことも目的とする.

従来のHolonomic ICAによるBSDでは,音源信号に畳み込まれた伝達系と信号自身 の有色性を区別することができず,音源信号を逆に歪ませてしまうという問題点 があった. そこで本研究では,BSDをSingle-Input Multiple-Output~(SIMO)システムへの BSSと,SIMOシステムにおけるブラインド逆畳み込み(Blind Deconvolution:~BD) に分割したTwo-Stage BSDを提案する. 提案法は,空間情報を維持して音源信号の分離を行うSIMO-ICAと,SIMOシステム において有色信号のBDを行う二入力残響除去法から構成される. これにより,伝達系による歪みと信号自身の有色性を区別してBSDを行うことが 可能となる.

人工的な4タップの伝達系を想定してBSD実験を行い,提案法が理論的に BSDを達成可能であることを確認した. また,より実環境に近い伝達系として頭部伝達関数が畳み込まれた混合信号,つ まりバイノーラル信号の混合系に対してBSD実験を行い, 提案法がバイノーラル信号混合系に対しても有効であることを確認した.

発表においては回復音声のデモンストレーションを行う.