AirGrabber: 小型カメラと傾斜センサを用いたバーチャルキーボード

藤本 昌宏 (0251104)


近年のハードウェア技術の進歩により,コンピュータ本体および周辺機器の小型・軽量化が実現したことで,小型のコンピュータを身体に装着して使用するウェアラブルコンピュータが実用化されつつある. その一方で,ウェアラブルコンピュータを操作するための,従来のキーボードに代わる携帯型文字入力インタフェースも提案されているが,それらは機能や使用環境の制限,操作方法の特殊性等の理由から,使いづらいものが多いのが現状である.

本論文では,ウェアラブルコンピュータへの適用を考慮に入れた,既存のキーボードを使用する感覚で指を動かすことで文字入力を可能にするバーチャルキーボード``AirGrabber''を提案,構築し,実験によりその有効性を示す.

AirGrabberは,何も無い空間での指の動きを,手首に装着した小型カメラを用いて動画像処理により認識し,キーの打ち分けを行う際には傾斜センサを利用する. したがって,動作に必要な機器が手首部分だけでまとまるため,持ち運びに適し,直感的な入力を可能とする新たな文字入力インタフェースであると言える.