概念的関連性に基づく複数話者雑談の話題転換の特徴分析

藤本英輝 (0251103)


コンピュータネットワークの普及・拡大に伴い、人々の出会いの機会は格段に増えた。またお互いの距離や会話する場所といった空間的制約がなくなり、より多くの人が同じ会話に参加することが容易になった。しかしながら、初対面の人間同士の対話では、お互いの興味等についての知識が無いため、適切な話題を見つけることができずに対話が停滞することがある。このような場面において、対話参加者に対し適切な話題を提供できれば、再び対話を活性化させることが可能だと考えられる。しかしながら複数話者の雑談は従来よく行われてきた1対1のタスク指向対話と異なり、刻一刻と話題が遷移し、その内容も多岐にわたる。したがって対話の流れを予測できず、また特定のドメインに特化した知識では柔軟な対応が困難である。このような雑談における話題の遷移についての分析はあまり進んでいない。本発表ではドメインに依存しない一般的知識として概念を用い、三者雑談における発話とそのときの話題との概念的関連性に着目して、対話文脈に対する発話の自然さという観点から行った分析について述べる。